心にイノベーションを起こす
ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?(著 森若幸次郎)を読み終えた。
ハーバードといえば、多数のエグゼクティブリーダーを輩出している世界一の大学である。
名の知れた人物を挙げると、俳優のマットデイモン、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ、元米国首相のバラク・オバマなどだ。
対して、ハーバードと名を連ねてよく聞くのが西海岸のハーバードと言われるスタンフォード。
スタンフォードの著名人は、ナイキ創業者のフィリップ・ナイト、Netflix創始者のリード・ハスティングスなど。
ハーバードとスタンフォードの違いは何だ?
簡潔にいうと、0から1を生み出す起業家を育てるのがスタンフォードで、1を100にする経営者を育てていくのがハーバードであると本書では述べている。
スピード感は圧倒的にスタンフォードの方が速いのに対し、ハーバードは時間をあまり気にしない。新しいモノを生みだすというよりも、時間をかけながら既存のものを大きくしていくというイメージのようだ。
簡単にハーバードとスタンフォードの違いをまとめたが、ここからは本書より抜粋して述べていく。
心にイノベーションを起こす!!
これからの日本に大切なのは、ものづくりよりも価値づくり。
目の前に山積みしている悩みや問題をどう解決するか。何か新しいモノを作るよりも、みんなで協力して、いま自分が立っている持ち場をよりよいものに変化させていく。
これを心のイノベーションと呼ぶ。
これがまさに0を1にする考えではなく、1を100にする考え方だ。
既存のものやサービスを大きくするにはどうすればいいか、この問いを追求していくことによって新たな可能性が切り拓いていく形になる。
そして、その問いで重要になってくるのが次のRoot Cause Analysisだ。
ハーバードのRoot Cause Analysis(根本の原因を追求する)
Whyの追求をして、解決策を出す。
出した答えに対して、いつまでにするか、今日何ができるかを考える。
例) 仕事の納期に間に合わなかった。
Why → 予想外に作業が多かった。→ Why→ 工程の見積もりを間違えた。→ Why→ クライアントに確認していなかった。→ 解決策 → 事前のヒアリングを徹底する。
このWhyの追求は、別に仕事に限らず多方面で応用が可能であると考えている。
遊び、趣味、人間観察、対人関係など。Whyから仮説検証に繋げることもできる。
あなたの産業(職業)は何ですか?
普通、職業を聞く時に「あなたの職業は何ですか?」と聞くべきところを、ハーバードの場合は特殊で【あなたの産業は何ですか?】と聞いてくる。要するに産業を動かすレベルで仕事をしているか?という意味。
これを読んだ時に、レベルが違うなと純粋にそう思ってしまった。
エグゼクティブリーダーというレベルだとやはり変革、革命を起こすという気概を常に持ち続けなければ存在に値しないということになるのだろう。聞き方を少し変えるだけで捉え方が全く異なる。
選択肢Cの創造
世の中に溢れている対立の多くは、AとB両者の利害が衝突するという二項対立構造から生まれている。どちらか一方がどちらか一方から奪おうとする限り、対立は際限なく続くことになる。
ここで選択肢Cを創造したらどうなるか?
AとB両者の目的にかなう選択肢を作ることで、AにとってもBにとってもよりよい結果を導き出す。選択肢Cを求め続けていれば、きっとよりよい明日を迎えることができるはずだし、世界はもっと平和になれる。
本書の締めくくりとして、この選択肢Cをたくさん作っていくことが今後の未来を明るくすると述べている。この選択肢Cという考え方は、今の自分にとっても将来の自分にとっても一つ考え続ける必要がある大きなミッションとなる。
社会が抱えている課題のほとんどは、普通の人々が作ったわけだから普通の人間である私たちが確実に解決できるはず。
この一節を読んで大きく心の中で肯いていた自分がいた。
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